2013年8月5日月曜日

『イシューからはじめよ』安宅和人

【オススメ書籍紹介】『イシューからはじめよ』安宅和人
(レビュアー:エンジニア 久保田)

書籍紹介チーム「社会人基礎力」編。今回の話題は「シンキング」です。

本書のはじめに
・悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える。
という節があります。
ここでは「悩む」と「考える」は違うものだということを教えてくれています。
ではどう違うのか、本書を引用してみます。

"「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること
「考える」= 「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること"

この「答えが出る」の部分が非常に重要で、答えがでる問題のことをこの本では「イシュー」と定義しています。
「イシュー」を適切に設定することで、無駄のない思考が可能になります。

イシューは以下のように思考をブレイクダウンすることで設定することができます。
"「何に答えを出す必要があるのか」という議論からはじめて
「そのために何を明らかにする必要があるのか」という流れで分析を設計していく。"

そして適切なイシューが設定できたら、あとは仮説を立てて検証していきます。
この行為こそ「考える」ということそのものなのでしょう。

イシューを設定することは経験的にもとても難しいとおもいます。
まず何について考えているのかよくわからなくなってしまい
無駄に時間を過ごすということはすぐに思いあたります。
つまりただ「悩んで」時間を無駄にしていたわけです。

プロのエンジニアである以上、ただ闇雲に時間を過ごすことは許されません。
お客様の要望を如何に実現するか、言われた仕様をただ実装するだけでなく、
真に解決したい問題とはなんなのか考え、もっと良い物があれば提案する。
イシューに注目することでそういった価値が発揮できるのでは無いかと思います。

イシューの設定方法、仮説、検証の部分に関しては
本書でも様々なツールをや技術を紹介してくれています。
問題をダブりもモレもなく分解する「MECE」だったり、
結論とそれをささえる要点で構成されたピラミッドストラクチャーだったり。

「考える」とは「技術」ですので
練習すれば誰でも習得できるとのこと。
まずはできるところから。練習あるのみです。
悩むのではなく、ちゃんと考えられるようになりたいものですね。

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