2014年1月28日火曜日

『ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング』 渡邊 喜一郎

【オススメ書籍紹介】『ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング』 渡邊 喜一郎
(レビュアー:デザイナー 伊波)
ディズニーといえば、素晴らしいサービスで入園者をおもてなししてくれる夢の国です。
私は幼い頃一度行ったくらいでほとんど覚えておらず、そのおもてなしを実感したことはないのですが、ディズニー好きの友人が多いため、いつも話を聞いてはディズニーで働く方々の仕事振りに驚いています。
そんなディズニーを運営するオリエンタルランドとNTT、まったく違うジャンルに感じる2社でマーケティングの方法は同じなのかと興味を持ち、この本を手に取りました。

本のタイトルにあげられているのは上記の2社のみですが、著者である渡邊さんが他に勤めていた会社での事例も多く紹介されています。それぞれがショートストーリーのように書かれているので、気になった事例だけ読んでいくのも良いかもしれません。
私が一番感動した事例は、テレビ電話を使って東京で結婚式をする孫と、地方で寝たきりになったおばあちゃんをつなぐというものです。今ではテレビ電話など珍しいものでもなく、こんなにも感動を生み出すものだったとは思いもよりませんでした。
私はこのような技術的なもので感動を与えているイメージがあまりなく、ディズニーのようなサービスとはまったく別物だと思っていました。ですが、根本の考え方はどんなジャンルでも同じです。この本を読んで、そのことに気付くことができました。

本の最後に「ビジネスに、人間に、たくさんの愛情を持とう」と記されています。
やはり「好き」という感情が何よりも大切なのだと感じ、私も誰かを幸せにできるような仕事ができるよう努力して行きたいと改めて思いました。

2014年1月16日木曜日

『ニンテンドー・イン・アメリカ』著:ジェフ・ライアン 訳:林田陽子

【オススメ書籍紹介】『ニンテンドー・イン・アメリカ』著:ジェフ・ライアン 訳:林田陽子(レビュアー:エンジニア 福岡)

この書籍はアメリカからみた任天堂の歴史が書かれています。
面白いのはマリオを主軸にしているところです。
著者はゲームジャーナリストで、彼は任天堂について調べてこの本を書いているので主観も入っていますが、任天堂がどのようにして成長していったのかとてもわかりやすいと思います。

おそらく現在知れ渡っているサービスや商品などを築いた企業にはいくつかのターニングポイントがあったと思います。
それは必ずしも好機なわけでなく、むしろことわざにもある火事場の馬鹿力のように、追い込まれてた時に立て直したことが結果として転機となっている、そんな気がしました。
任天堂も、今は代表作であるマリオシリーズの主人公マリオは、アメリカでの最初の仕事で失敗してしまい、その代替案であるアーケードゲーム「ドンキーコング」から誕生しました。
それもアメリカでの仕事はもう失敗できない状況でしたが、ドンキーコングがあたるという確証はどこにもありませんでした。
結果として大ブレイクしましたが、それまでに売れていたアーケードゲームとは趣旨を変える、という一種の賭けだったと思います。そこで人気が出なければきっとアメリカ市場から退いていたんだと思います。

どんな企業でもそうして何度も挑戦と失敗と成功を繰り返して行くんだと感じました。
そしておそらく失敗のほうが多く、その失敗を活かすということもあり、1度の成功がとても大きいのだと思います。
私も失敗をおそれずに挑戦をし続けて成功へ繋げていけるようにしたいと思います。