2013年3月26日火曜日

『道は開ける』デール カーネギー

『道は開ける』デール カーネギー
(レビュアー:エンジニア 久保田)

健康をテーマにお届けしている書籍紹介の第2段。
今回のテーマは「心」です。

病は気からというように、心が病んでいるとそれに引きづられて
身体まで調子を崩してしまいます。
心が病む一番の原因は「悩み」ではないでしょうか。

この本はその悩みと
どのように付き合っていくのか、
克服するにはどうすればよいのか、
そもそも悩まないために何をしたら良いのか
が書かれています。

その一つとして、
「今日、一日の区切りで生きよ」
つまり、過去と未来を意識の外に追いやって、
今日その日のことのみ考えましょう。という方法が紹介されています。

過去のことはくよくよ考えてもしょうがないですが、
未来のことまで考えなくてもよい、という考えは刺激的でした。

未来に対する不安は絶えずありますが、
今日できることを全力でやることが未来へ備えるための最良の方法です。
それに「未来の不安まで今日抱えてしまってはどんな人でも耐えられない」
というのは確かにそうだなぁ。と納得しました。

特にこの本を読んでいる時期は非常に忙しく、
先のことを考えると絶望的な気分になっていたものです。。
その日1日のことだけ考える、と頭を切り替えたことで
随分と楽になったことを思い出します。

その他にもこの本には悩みの克服方法がたくさん書かれています。
しかもかなり具体的に、読んだその日から実践できる物も数多く紹介されています。

考え方ひとつで悩みから開放されるのだから
是非実践して心に健康を取り戻したいですね。

2013年3月13日水曜日

『粗食のすすめ』幕内秀夫

『粗食のすすめ』幕内秀夫
(レビュアー:マーケター/デザイナー 酒井)

前回は書籍紹介チームで4回に渡って「失敗」をテーマとした本を紹介し、
最後に「いかに失敗をなくすか」をディスカッションして具体的な施策を考えました。
目的意識が明確にあると、読書の効能は大きく変わってくるものです。
今後もアクションを起こすために読む「Read For Action」の活動を続けてまいります。

今回テーマにするのは「健康」です。
身体が資本とはよく言いますが、実生活で大きなウエイトを占めている睡眠や食事について、どれだけの人が果たして真剣に考えたことがあるでしょうか。
日々のパフォーマンスを高めるためにも、これから4回に渡って健康を考えるための書籍を紹介していきます。


私がイチオシしたいのは「粗食のすすめ」です。
ビタミンBが良いだとか、葡萄酒が良いだとか、バナナが良いだとか、メディアは基本的に単一の食品や栄養素を取り上げては、それが万能であるかのように特集を組みます。
視聴者にとって分かりやすくて、かつメディア側としては番組を量産しやすいからだと思いますが、そんなメディアとは対極の栄養論を唱えるのが、管理栄養士の幕内秀夫です。

北極地方に住むイヌイットは白熊やアザラシだけを食べて生きていますが、当然ながら栄養の偏りが原因で倒れるようなことはありません。
長年農耕民族として栄えてきた日本人は、同様に米ばかりを食べ続けてきましたが、倒れるようなことはありませんでした。
大事なのは野菜を採ることではなく、肉を採ることでもなく、何千年もかけて築かれてきた民族の食習慣に則ることなのだと著者は主張します。
日本人は米と野菜と魚でバランスが保てる民族なので、米と野菜と魚を食べましょうという話です。

ヨーロッパ西部は土壌にも降水量にも恵まれていないため、小麦やぶどうやオリーブを育てて肉を中心とした食生活を営んできました。
その西ヨーロッパと同じような食生活に日本人はシフトし続けています。
欧米人の食生活でバランスを取る機能が、日本人にあるのでしょうか。

筆者はやせ過ぎ・太り過ぎ・栄養失調・便秘など、様々な食の悩みを抱えた患者に対して「どんぶりいっぱいの麦ご飯を食べなさい」と指導するそうです。
それだけで栄養がバランスし、排便も充実して、患者はみるみる健康になっていくと言います。


私も人並みに肉が好きなので、麦ご飯だけで生活することはちょっと考えられません。
特に甘いものが好きで、中でもロッテのチョコパイを断つことには現実性がありません。
それでも何とか麦ご飯を食べ、魚を食べ、甘いものが欲しくなったらせめて饅頭や餅を食べようという気に、本書は差し向けてくれます。

80年生きるとしたら、あなたは一生のうちに90,000回近く食事を取ることになります。
ぜひ本書で「食」を考え、今後の人生を大きく変えてください。